森法律事務所(愛知・名古屋の弁護士)

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企業法務

  • 企業法務 For Coporate Client

    企業活動・企業経営を行ううえでは、外部との取引上・契約上のトラブルや、企業内における人事・労務(労働)問題でのトラブル(紛争)等の発生が避けられない場合があります。また、現代の企業活動においては、企業コンプライアンス(法令遵守)が強く求められています。営利のみを追求するあまり法令や企業倫理を無視した事業活動によって、顧客や社会の信頼を失ってしまうと、企業存続の危機に陥るという事態さえ招きかねません。当事務所は、企業のお客様のリーガルパートナーとして、紛争解決のお手伝いは勿論のこと、企業コンプライアンスを実現し、さらには企業の社会的責任(CSR)を果たすことができるよう、良質のリーガルサービスを提供してまいります。

企業法務 Q&A For Coporate Client

企業法務をめぐる問題は、企業の規模、業種・事業内容などによって様々なものがありますし、個別の具体的な諸事情によって回答内容も異なりますが、以下では一般論でお答えできる範囲のQAをいくつかご用意しました。企業の実情に応じた具体的なご質問については、当事務所の法律相談をご利用ください。

取引・契約について

契約書を作成しない契約でも有効ですか。

有効です。契約とは、当事者間の合意をいいますが、法律によって特に書面を作成することを求められている場合でなければ、口頭(口約束)であっても合意は成立し契約となります。契約書とは、そのような合意が成立したことを証明する文書なのです。

契約書と覚書に違いはありますか。

「●●に関する契約書」であれ、「●●に関する覚書」であれ、当事者間の合意内容が記された文書として、その効力や意味に違いはありません。

印紙を貼付していない契約書は無効でしょうか。

契約書に印紙を貼付していないからといって契約書が無効になったり、契約自体が無効になることはありません。そこに記載された合意内容は有効です。印紙は、印紙税法という国の税金に関する法律に基づいて一定の契約書等を作成した場合に貼付することを求められ、貼付することによって印紙税という税金を納めるものです。印紙の貼付がない契約書でも、契約の当事者間の契約内容の成立や効力発生には何ら関係がないのです。ただし、印紙を貼付すべき義務があるにも関わらず貼付しなかった場合には、印紙税法違反となり、本来の印紙税額に加え過怠税が課されます。

契約締結段階における説明義務・情報提供義務とは何ですか。

裁判例において、当事者間の情報や専門知識に大きな差異がある場合、契約の締結段階において、一方当事者が他方当事者に対して、信義則上の説明義務・情報提供義務があるとして、その義務違反により相手方に発生した損害の賠償を命じるものがあります。裁判例に現れるのは、保険取引、金融取引、不動産取引、フランチャイズ契約など、契約の価額が高額の場合での争いが多くなっています。契約が成立する前の段階(契約締結段階)において、どのような点を説明すべきか、情報提供すべきかについては、取引の内容、規模、相手方の専門知識の程度等によって判断は異なってきますが、まずは、「契約が成立する前においては、相手方に対し何らの義務も発生しない」という考えは誤っていることを肝に銘じ、交渉段階においても「信義則に反した」と言われることのないよう注意する必要があります。なお、消費者契約法においては、事業者は消費者との契約を締結するにあたって情報提供努力義務があるとされています(3条1項)。

下請法とはどういう法律ですか。

下請法(下請代金支払遅延等防止法)は、親事業者が優越的地位にあることを濫用して下請事業者に不当に不利益を与えることを取り締まる法律です。 下請法適用の有無は、自社と取引相手方の資本金により区分されますので、相手方の資本金額を確認する必要があります。

対象となる取引は、以下の4つに大別されます。

  • (1) 製造委託
  • (2) 修理委託
  • (3) 情報成果物作成委託
  • (4) 役務提供委託

下請法で禁止される行為には、

  • ア: 買いたたき
    →発注する物品・役務等に通常支払われる対価に比べて、著しく低い下請代金を不当に定めること。
  • イ: 下請代金の減額
    →下請事業者に責任がないのに、発注時に決定した下請代金を発注後に減額すること。
  • ウ: 代金支払遅延
    →発注した物品等の受領日から、60日以内で定められている支払期日までに下請代金を支払わないこと。
  • エ: 受領拒否、不当返品
    →下請事業者に責任がないのに、発注した物品等の受領を拒否したり、受領後に返品すること。
  • オ: 物の購入強制、役務の利用強制
    →下請事業者に、発注する物品の品質を維持するなどの正当な理由がないのに、親事業者が指定する物(製品、原材料等)、役務(保険、リース等)を強制して購入、利用させること。

等があります。

債権回収・取引先の倒産対応

取引先が、期日が過ぎても代金を支払ってくれません。どうしたらよいでしょうか。

債権を回収する方法として、

  • (1) 内容証明郵便にて催告する
  • (2) 反対債権と相殺する
  • (3) 簡易裁判所に支払督促を申し立てる
  • (4) 訴訟を提起する
  • (5) 担保権を実行する
  • (6) 商品を引き上げる

等の対応方法がありますが、相手方が支払わない理由(支払義務を争っているのか、資力がないのか、倒産間近の状況なのか)によって方法の選択が異なります。 債権の額、種類、相手の状況に応じて適宜の判断をすることになります。

取引先からの代金支払が遅れており、倒産の危険があるという噂を耳にしました。当社の損害額を押さえるために納品した商品を引き上げることができますか。

契約に基づき納品した商品を勝手に引き上げることはできません。すでに代金の支払時期が過ぎているのであれば、債務不履行により契約を解除し、代金の支払時期が到来していない場合は相手方と契約を合意解約したうえで、相手の承諾を得て商品を引き上げる必要があります。自社製品といえども、相手方の承諾無く、勝手に(強引に)引き上げると窃盗罪、恐喝罪に問われる恐れもありますので注意が必要です。

民事再生(手続開始)の申立てをした取引先から、材料を納品してほしいという要請がありましたが、どうしたらよいでしょうか。

民事再生は、破産とは異なり、手続の申立後も事業を継続し、事業の再生を図ろうとする手続です。民事再生を申立てた会社にとっては、材料の納品は事業継続、事業再生のために不可欠なのですが、他方、これまで材料を納品した会社は、通常、売掛金が再生債権(倒産債権)となっており、担保が設定されていない限り全額回収するのは難しいという状況ですので、さらに材料を納品するという判断は慎重にならざるを得ないでしょう。 ただし、民事再生申立後に、取引再開を申し入れる場合には、通常、支払サイトを従来の条件よりも短くするなど焦げ付きのリスクを軽減するような条件が提示されますので、支払条件その他の取引条件を勘案したうえで、取引再開に応じるかどうか検討して下さい。 また、検討にあたり、他社の動向やその会社がどのような方法で事業を再生しようとしているのか等の情報も入手して、事業再生が可能なのかどうかも見極める必要もあるでしょう。

情報管理と公益通報

当社は、5000人を超える顧客情報をデータベースで保有しています。従業員は30人足らずですが、従業員の情報についても個人情報保護法が適用されるのでしょうか。

5000人超の顧客情報をデータベースで保有する会社は、個人情報保護法の「個人情報取扱事業者」に該当しますので、「個人情報」を本人の同意を得ないで利用目的達成に必要な範囲を超えて取扱うことが禁じられ、また、「個人データ」を本人の同意を得ないで第三者に提供することが禁じられています。従業員の労務管理用のデータベースやファイリングされた従業員名簿に記載された従業員の住所、社内外の経歴、健康情報や、電子メールアドレス帳に保管されるメールアドレスも、「個人情報」、「個人データ」に該当しますので、従業員が30人足らずであっても(すでに顧客情報だけで5000を超えていますので)、これらを氏名等と併せるなどして個人を特定できる方法で、本来の使用目的を超えて使用したり、第三者に開示するには本人の同意が必要となります。

従業員が、当社の営業秘密を流出していないかを確認するため、社内で従業員が使用するパソコンの利用状況やメール内容をモニタリングしても大丈夫でしょうか。

社内の備品とはいえ、従業員の使用するパソコンをモニタリングすると従業員のプライバシーを侵害する可能性があります。

モニタリングの留意点について経済産業省のガイドラインでは

  • (1) モニタリングの目的(取得する個人情報の利用目的)をあらかじめ特定し、社内規定に定めるとともに、従業員に明示すること。
  • (2) モニタリング実施に関する責任者とその権限を定めること。
  • (3) あらかじめモニタリング実施について社内規程案を策定し、事前に社内に徹底すること。
  • (4) モニタリングの実施状況について適性に行われているか監督または確認を行うこと。

を定めています。

したがって、従業員に無断でパソコンの利用状況やメール内容をモニタリングすることはガイドラインに抵触するおそれがあります。まずは、モニタリングについての社内規程を作成し、従業員にその内容を周知させることが必要といえます。

公益通報者保護法とはどういう法律なのでしょうか。

公益通報保護法は、刑法、労基法、証券取引法、廃棄物処理法、個人情報保護法など国民の生命、身体、財産その他の利益保護にかかわる441本の法律(平成26年4月1日時点の指定)に規定する罪の犯罪行為の事実が生じ、またはまさに生じようとしている場合に、それを公益通報した労働者に対する

  • (1) 公益通報したことを理由とする解雇の無効
  • (2) 労働者派遣契約の解除の無効
  • (3) その他の不利益な取扱いの禁止

を規定した法律です。

ただし、その公益通報について保護される要件が、次のとおり通報先によって異なっています。

  • (1) 企業内部
    ①不正の目的でないこと
  • (2) 行政機関
    ①不正の目的でないこと
    ②真実相当性を有すること
  • (3) その他の外部機関(マスコミなど)
    ①不正の目的でないこと
    ②真実相当性を有すること
    ③企業内通報では、不利益取扱いされそうな場合、証拠隠滅のおそれがある場合、起業から公益通報するなと要求された場合など 

内部通報と公益通報はどう違うのでしょうか。

公益通報保護法では、企業の従業員による行政機関やマスコミ等の外部機関に対する通報だけではなく、従業員が勤務する企業に対する通報も保護の対象としています。行政機関やマスコミへの通報が「内部告発」(社外告発)であり、企業に対する通報が「内部通報」(社内告発)です。内部通報制度は、企業等の不正や違法行為に関する情報を、企業内に設けた通報窓口に通報する制度ですが、この制度を置くことにより企業は、企業内での法定違反を抑止、予防したり、問題が発生した場合にも早期に是正することが可能になります。また、企業のコンプライアンス重視の姿勢を内外に示すことができますし、さらには、この制度がうまく機能していれば内部告発を予防し企業の信頼毀損というダメージを防止することも可能になります。ですから、内部通報制度は決して大企業だけに必要なものではないのです。

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