- 破産を考えたときに何を押さえておけばいいのか分からない。
- 押さえておくべき点を整理して教えてほしい。
そんな疑問をお持ちの経営者のために、このページでは、「会社(法人)の破産を考えたときに押さえておきたい8つのポイント」を説明します。
- 01. 会社の負債と財産の内容を把握してください。
- 02. 手続がどう進むのかを理解してください。
- 03. 自分の会社の場合、費用がどれだけ必要かを確認してください。
- 04. 自分の会社が破産した場合、取引先にどういう影響が生じるかを想定してください。
- 05. 破産によって従業員関係でどういう問題が発生するのかを理解してください。
- 06. 裁判所への破産申立までに準備すべきことを理解してください。
- 07. 破産を検討中に気を付けること(やってはいけないこと)を理解してください。
- 08. 破産手続に精通した経験豊かな弁護士に依頼してください。
01 会社の負債と財産の内容を把握してください。
破産を検討するにあたっては、まずは会社の負債と財産の内容を確認することが必要です。
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(1)
負債は以下のものについてその内容を確認します。
1. 金融機関からの借入金
2. 取引先からの仕入代、外注先等への支払債務等
3. 経費等の買掛金
4. リース料
5. 従業員に対する労働債権
6. 国税・市県民税等の公租
7. 社会保険料等の公課※これらの負債について、抵当権等の物的担保が設定されているか、保証人がついているかという点も重要です。
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(2)
財産は以下のものについてその内容を確認します。
1. 不動産
2. 預貯金、有価証券
3. 保険
4. 自動車
5. 機械・工具・什器備品
6. ゴルフ会員権、その他会員権
7. 在庫商品・材料など
8. 売掛金・貸金
9. 保証金・敷金
10. その他※これらの財産について、負債の担保に提供されているか、代金の支払いが完了しているかという点も重要です。
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(3)
リース物件、賃借物件、賃貸物件
1. 業務に使用するリース物件の内容、所在場所
2. 賃借物件の有無・内容
3. 賃貸中の物件の有無・内容 -
(4)
他社に預け中の商品の有無・内容・場所
02 手続がどう進むのかを理解してください。
破産がどういう手続なのを分かっている方は少ないと思います。
破産手続について知らないまま、破産を検討することは難しいと思います。ですから、破産とはどういう手続なのか、どう進むのかを押さえてください。
03 自分の会社の場合、費用がどれだけ必要かを確認してください。
一般論ではなく、自分の会社が破産手続を選択する場合に、費用がいくらかかるかを押さえておくことがとても重要です。
苦しい中でも生き残りをかけて「ぎりぎりまで頑張る」としても、破産手続に要する費用をデッドラインに据えて最終判断をする必要があります。
04 自分の会社が破産した場合、取引先にはどういう影響が生じるかを想定してください。
会社が破産した場合、全ての取引先に影響が出るのですが、その中でも、以下のものについて押さえておく必要があります。
- (1) 仕掛工事・仕掛品の有無・内容
- (2) 外注先にある商品・仕掛品等の有無・所在地・権利関係
- (3) 取引先からの預り品の有無・内容
05 破産によって従業員関係でどういう問題が発生するのかを理解してください。
会社の破産によって大きな影響を受ける従業員について、会社は雇用主として以下のような問題を処理する必要があります。
これらの点について押さえておいてください。
- (1) 解雇と解雇予告手当
- (2) 未払給与、退職金、労働者健康福祉機構の未払賃金立替払制度
- (3) 雇用保険(失業保険)
- (4) 社会保険
- (5) 源泉徴収票の作成
- (6) 貸与品の回収、私物の持ち帰り要請
06 裁判所への破産申立までに準備すべきことを理解してください。
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1 破産申立までの手続の流れ
破産の手続をとる場合は、最初のご相談から、Xday、そして裁判所への申立までに、経営者は多くのことを検討し、判断し、そして準備しなければなりません。
その内容を、よく押さえてください。 -
2 書類の確保
破産に必要な資料を準備するのは、破産を決意してからになるでしょうが、検討中の間は、少なくとも資料が散逸しないように、資料を捨てたりしないように気を付けてください。
07 破産を検討中に気を付けること(やってはいけないこと)を理解してください。
破産手続の検討中や準備中に、思わずやってしまったことで、申立ての準備がスムーズにいかなかったり、破産の開始決定が出た後で、破産管財人や裁判所から厳しく非難されたり法的に無効だと言われたりして、大きな問題になることがあります。
この点についてもよく押さえておいてください。
08 破産手続に精通した経験豊かな弁護士に依頼してください。
会社の破産には、利害関係者が多く登場します。しかも関係者それぞれにとって重要な問題ですから、迅速な判断と処理が求められます。
スローペースで対応していると、多くの人に迷惑をかけますし、経営者の経済的再生が遅れてしまいます。会社が倒産したからといって経営者の人生が終わるのではありません。会社の倒産は、経営者の再生のための大きな第一歩なのです。
迅速な判断と処理をするために、会社の破産は、破産手続に精通した経験豊かな弁護士に依頼することがとても重要です。
弁護士に相談するタイミングは?
会社の資金繰りに悩み、破産・倒産を検討している経営者の方は、できるだけ早いタイミングでご相談ください。
破産手続に精通した弁護士から説明を受け、どういう方法があるか、そのために何を準備して何を覚悟する必要があるのかを押さえたうえで、会社の再建をあきらめずに奔走してください。